「願うこころは 道をつくる」
「去年も無事に過ごせた」とか「無事に新年を迎えられた」ということで、年始のあいさつに「明けましておめでとうございます」と申します。お正月を迎える度に1つ歳を取るという数え年の考え方からすれば、誕生日を迎えたようなものとも言えます。
1つ歳を取ったということは、裏を返せばそれだけ寿命が短くなったということでもあるわけですが、「極楽浄土に往生することが何よりも大事」という浄土宗の立場から考えますと、寿命が短くなることが実はめでたいことだと言えるのです。
「寿命が日に日に衰えて終わりに近づいていくということは、それだけ苦しみの世界から遠ざかっていて極楽往生がだんだん近づいているのだと喜ぶべきことなのだ」と法然上人は仰っています。
年が明けて年齢を重ねるということは、それだけ極楽往生という最大の目標が近づくこと。
だから「明けましておめでとうございます」なのだと受け止めたいものだと思います。
苦しみに満ちた世界に住んでいる私たちですが、阿弥陀さまは、「極楽往生を願って念仏する者は必ず極楽浄土に救い摂る」と約束してくださっています。
極楽往生を願って日々念仏していれば、極楽浄土への道は自然と開かれて、迷いや苦しみの世界から抜け出ることができるのです。
この1年も日々南無阿弥陀仏と唱えて過ごしていきましょう。
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。