落慶法要並びに十夜法要のご案内
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「お念仏からはじまる幸せ」
なかなか信じがたいことですが、私たちは残念なことに、苦しみに満ちたいろいろな世界を久遠の過去から現在まで生まれ変わり死に変わりしてきた存在です。そのように生まれ変わりを繰り返すことを輪廻と言いますが、この輪廻から脱出すべきだということや、そのための方法を説いているのが仏教です。
輪廻から脱出する方法というのはたくさんありますが、その中でもあらゆる仏さまが私たちにお勧めくださっているのがお念仏です。浄土宗では、お念仏とは「極楽浄土に生まれたいと願ってナムアミダブととなえること」を意味します。
「念仏する者を必ず極楽浄土に救いとる!」
阿弥陀さまはそう約束してくださっています。
「あらゆる人々を幸せにしたい!」
阿弥陀さまはそう願って、人々の幸せがかなう極楽浄土を建ててくださったのです。
極楽浄土に生まれることを「極楽往生」といいます。
極楽往生すれば、もう輪廻をすることはなくなって、いかなる苦しみからも解放されます。
先に極楽往生している方と再会することができます。
先立たれた方の中に、極楽往生できていない方がいたとしても、私たちが極楽往生しさえすれば、私たち自身がその方を極楽往生へと導くことができるようになります。
自分も救われるし、人を救うこともできるようになる。
極楽浄土はそういう世界です。
この世に生きていれば大切な方ともいつかは必ず離れ離れになります。でも念仏していれば、この世で離れ離れになってしまった方ともいつか必ず極楽浄土で再会することができるのです。
輪廻の真っただ中にある私たちにとってのほんとうの幸せである極楽往生は、お念仏からはじまるのです。
「願うこころは 道をつくる」
「去年も無事に過ごせた」とか「無事に新年を迎えられた」ということで、年始のあいさつに「明けましておめでとうございます」と申します。お正月を迎える度に1つ歳を取るという数え年の考え方からすれば、誕生日を迎えたようなものとも言えます。
1つ歳を取ったということは、裏を返せばそれだけ寿命が短くなったということでもあるわけですが、「極楽浄土に往生することが何よりも大事」という浄土宗の立場から考えますと、寿命が短くなることが実はめでたいことだと言えるのです。
「寿命が日に日に衰えて終わりに近づいていくということは、それだけ苦しみの世界から遠ざかっていて極楽往生がだんだん近づいているのだと喜ぶべきことなのだ」と法然上人は仰っています。
年が明けて年齢を重ねるということは、それだけ極楽往生という最大の目標が近づくこと。
だから「明けましておめでとうございます」なのだと受け止めたいものだと思います。
苦しみに満ちた世界に住んでいる私たちですが、阿弥陀さまは、「極楽往生を願って念仏する者は必ず極楽浄土に救い摂る」と約束してくださっています。
極楽往生を願って日々念仏していれば、極楽浄土への道は自然と開かれて、迷いや苦しみの世界から抜け出ることができるのです。
この1年も日々南無阿弥陀仏と唱えて過ごしていきましょう。
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。